(第6章)ツイン・ターボ

「ターボチャージャ」は排気ガスのエネルギーを利用するので、
回転が上がって排気ガスのエネルギーが増大しないとタービンを回すことが出来ません。
そのため、アクセルをオンしてから過給が始まるまでに遅れ(ターボ・ラグ)が生じます。

タービンが大きく(大容量)なればそれだけ出力は大きくなりますが、
反面慣性質量も大きくなり「ターボ・ラグ」も大きくなります。
また、低回転ではスカスカで、高回転になっていきなり過給が効いてくる、
所謂「ドッカン・ターボ」になってしまいますね。。。

逆にタービンを小容量のものにすれば、低回転から過給がかかりますが、
高回転では十分な過給が得られません。

低回転から高回転までレスポンスよく十分な過給を得るため、
GT−R(RB26DETT)やフェアレディZ(VG30DETT)では、
小容量のタービンを2個並列に使って「ツイン・ターボ」構成としています。

ポルシェ936ターボのツインターボ

う@湘号の目指すところは、
サーキットでの最高速や、0−400mでの最短時間ではなくて、
あくまでも街乗りが主体で、
時にハイウェイ走行での快適な加速を楽しめればOK!ということですので、、、

低回転〜高回転まで広い範囲での高出力・大トルク、
それに、ターボラグが少なさ・レスポンスの良さが魅力で、
「ツイン・ターボ」構成を採用することにしました。

ツインターボ+排気量アップ
インタークーラー
ブースト・コントローラ、ブースト計
ターボ・タイマー

ツインターボ+排気量アップ

低回転域からの立ち上がりを実現し
ターボラグを小さくするためには、ツインターボ化の他に、
以下の改造を行います。。

(1) ターボを装着する場合には圧縮比を下げなければなりませんので、
ピストン径を93mmのものに交換して排気量を”3,400cc”にアップし、
低回転〜高回転まで広い範囲での高出力・大トルク化を実現しました。

(2) 低速タイプのカムシャフトとバルブタイミングの調整によって、
低回転時の高トルク化と、高回転時での出力低下を防ぎます。

(3) 通常の「ラジアル・タービン」ではタービンに直角に排気ガスがあたります。
それに対して、
斜め後方から排気ガスをタービンにあてる「斜流タービン」ではエネルギー効率が高く、
低回転時の小さなエネルギーの排気ガスで効率よくタービンを回すことができます。

う@湘号の改造に使用するタービンはAPEXの「AX53B60P18」で、
RB26DETTの純正交換用(ポン付け)タービンです。
内部にはIHI(石川島播磨重工)の「斜流タービン」を使用しており、
アクチュエータも強化されています。

う@湘号、ツインターボ

インタークーラー

コンプレッサーで圧縮された(大気圧の)外気は、
およそ150℃まで温度が上がり、密度も下がってしまいます。
このまま燃焼室に高温の吸入空気を流入させると、
燃焼温度も高くなり、ノッキングの発生も多くなるため、
コンプレッサとインテーク・マニフォールドの間に
「インタークーラー」を設置し、
吸入空気の温度を50℃くらいにまで下げる必要があります。

GT−RやZ32などのツイン・ターボでは、
各タービンに独立にインタークーラーを取り付けています。

最初の計画ではトラストのZ32用純正交換IC(x2)を使用する予定でしたが、
う@湘号では装着スペースの関係で、
二つのタービンから出た圧縮空気を
シングル前置き型インタークーラー(HKS製)で冷却します。


ブースト・コントローラ、ブースト計

ターボを効率よく・かつ耐久性も持たせて使うためには、
適切なブースト圧の範囲にセッティングすることが必要です。

「ハイ・ブースト」は麻薬のようなものだそうで、、、、
ブースト圧を上げれば上げるほど高出力が得られます。
しかし、例えば燃料インジェクタの容量が不足したりすると
混合気が希薄になり燃焼温度が異常に高くなってしまって
エンジン・ブローを起こす恐れもあります。
また、タービンの回転も上がりすぎて機械的強度を超えてしまう恐れもあります。

適切なブースト圧を設定するためにブースト・コントローラを装備し、
常にブースト圧を知って適切なアクセルワークで効率的な走りを可能するために、
ブースト計も装着します。

ブーストコントローラはTRUSTの”PROFEC B”、
ブースト計はDEFIを使用します。

う@湘号では、ブースト圧を
「Low: 0.7(Kgf/cu)」・「High: 1.0(Kgf/cu)」
の2段階で切り換えできるようにしてありますが、
殆ど High Boost で走ってます。(^-^)ゞ。


ターボ・タイマー

N/A車の場合には停車したらすぐにエンジンを切りますが、
ターボ車の場合、すぐにエンジンを切ってしまうと、
それまで高回転で高温になっていたタービンを冷却していたオイルも止まってしまい、
結果としてタービン・トラブルにつながります。
車が止まってもしばらくアイドリングを続けて
クールダウンをちゃんと忘れずに行えばいいんですが、
人間忘れることもあります。
そこで、ドライバーに代わって「クールダウン」を行ってくれる
『ターボ・タイマー』という便利なものを皆さん使われてるそうなので、、、
う@湘号にも装備して、
もの忘れがはげしくなってきているドライバーをカバーします。 (^-^)ゞ


ただ、最近はあまりチューン車などでは使われることが少ないような話も聞きますけどね。
備えあれば憂いなし。(^-^)ゞ

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第6章: ツイン・ターボ

(第6章)ツイン・ターボ

「ターボチャージャ」は排気ガスのエネルギーを利用するので、
回転が上がって排気ガスのエネルギーが増大しないとタービンを回すことが出来ません。
そのため、アクセルをオンしてから過給が始まるまでに遅れ(ターボ・ラグ)が生じます。

タービンが大きく(大容量)なればそれだけ出力は大きくなりますが、
反面慣性質量も大きくなり「ターボ・ラグ」も大きくなります。
また、低回転ではスカスカで、高回転になっていきなり過給が効いてくる、
所謂「ドッカン・ターボ」になってしまいますね。。。

逆にタービンを小容量のものにすれば、低回転から過給がかかりますが、
高回転では十分な過給が得られません。

低回転から高回転までレスポンスよく十分な過給を得るため、
GT−R(RB26DETT)やフェアレディZ(VG30DETT)では、
小容量のタービンを2個並列に使って「ツイン・ターボ」構成としています。

ポルシェ936ターボのツインターボ

う@湘号の目指すところは、
サーキットでの最高速や、0−400mでの最短時間ではなくて、
あくまでも街乗りが主体で、
時にハイウェイ走行での快適な加速を楽しめればOK!ということですので、、、

低回転〜高回転まで広い範囲での高出力・大トルク、
それに、ターボラグが少なさ・レスポンスの良さが魅力で、
「ツイン・ターボ」構成を採用することにしました。

ツインターボ+排気量アップ
インタークーラー
ブースト・コントローラ、ブースト計
ターボ・タイマー

ツインターボ+排気量アップ

低回転域からの立ち上がりを実現し
ターボラグを小さくするためには、ツインターボ化の他に、
以下の改造を行います。。

(1) ターボを装着する場合には圧縮比を下げなければなりませんので、
ピストン径を93mmのものに交換して排気量を”3,400cc”にアップし、
低回転〜高回転まで広い範囲での高出力・大トルク化を実現しました。

(2) 低速タイプのカムシャフトとバルブタイミングの調整によって、
低回転時の高トルク化と、高回転時での出力低下を防ぎます。

(3) 通常の「ラジアル・タービン」ではタービンに直角に排気ガスがあたります。
それに対して、
斜め後方から排気ガスをタービンにあてる「斜流タービン」ではエネルギー効率が高く、
低回転時の小さなエネルギーの排気ガスで効率よくタービンを回すことができます。

う@湘号の改造に使用するタービンはAPEXの「AX53B60P18」で、
RB26DETTの純正交換用(ポン付け)タービンです。
内部にはIHI(石川島播磨重工)の「斜流タービン」を使用しており、
アクチュエータも強化されています。

う@湘号、ツインターボ

インタークーラー

コンプレッサーで圧縮された(大気圧の)外気は、
およそ150℃まで温度が上がり、密度も下がってしまいます。
このまま燃焼室に高温の吸入空気を流入させると、
燃焼温度も高くなり、ノッキングの発生も多くなるため、
コンプレッサとインテーク・マニフォールドの間に
「インタークーラー」を設置し、
吸入空気の温度を50℃くらいにまで下げる必要があります。

GT−RやZ32などのツイン・ターボでは、
各タービンに独立にインタークーラーを取り付けています。

最初の計画ではトラストのZ32用純正交換IC(x2)を使用する予定でしたが、
う@湘号では装着スペースの関係で、
二つのタービンから出た圧縮空気を
シングル前置き型インタークーラー(HKS製)で冷却します。


ブースト・コントローラ、ブースト計

ターボを効率よく・かつ耐久性も持たせて使うためには、
適切なブースト圧の範囲にセッティングすることが必要です。

「ハイ・ブースト」は麻薬のようなものだそうで、、、、
ブースト圧を上げれば上げるほど高出力が得られます。
しかし、例えば燃料インジェクタの容量が不足したりすると
混合気が希薄になり燃焼温度が異常に高くなってしまって
エンジン・ブローを起こす恐れもあります。
また、タービンの回転も上がりすぎて機械的強度を超えてしまう恐れもあります。

適切なブースト圧を設定するためにブースト・コントローラを装備し、
常にブースト圧を知って適切なアクセルワークで効率的な走りを可能するために、
ブースト計も装着します。

ブーストコントローラはTRUSTの”PROFEC B”、
ブースト計はDEFIを使用します。

う@湘号では、ブースト圧を
「Low: 0.7(Kgf/cu)」・「High: 1.0(Kgf/cu)」
の2段階で切り換えできるようにしてありますが、
殆ど High Boost で走ってます。(^-^)ゞ。


ターボ・タイマー

N/A車の場合には停車したらすぐにエンジンを切りますが、
ターボ車の場合、すぐにエンジンを切ってしまうと、
それまで高回転で高温になっていたタービンを冷却していたオイルも止まってしまい、
結果としてタービン・トラブルにつながります。
車が止まってもしばらくアイドリングを続けて
クールダウンをちゃんと忘れずに行えばいいんですが、
人間忘れることもあります。
そこで、ドライバーに代わって「クールダウン」を行ってくれる
『ターボ・タイマー』という便利なものを皆さん使われてるそうなので、、、
う@湘号にも装備して、
もの忘れがはげしくなってきているドライバーをカバーします。 (^-^)ゞ


ただ、最近はあまりチューン車などでは使われることが少ないような話も聞きますけどね。
備えあれば憂いなし。(^-^)ゞ

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